瓢鯰亭日乗

一気に暑くなりましたね。 のらりくらりの毎日ですが、元気にがんばっております。

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手塚治虫作「ブッダ」

 先日、手塚治虫の漫画「ブッダ」全八巻を図書館で借りて読んだ。この作品は潮出版社の少年漫画雑誌(『希望の友』『少年ワールド』『コミックトム』と改題し、現在は廃刊)にて、1972年から1983年まで連載された。連載時代には全く読んだことのない作品だったので、是非読みたいと思っていたら、図書館にあったのである。
 仏教の開祖である仏陀の生涯については、日本人の多くが仏教徒といえる立場にありながら殆ど知られていないだろう。この本はその入門書として面白く読めると思った。もちろん希代のストーリーテラーである手塚の作品であるから、登場人物の多くが彼の創作であり、あるいは設定が歪められてはいる。しかし、仏典そのものが脈絡のない膨大な説話の集合体であり、各時代の創作なのであろうから、これをまとめ、分かり易く面白く話を進めるには、必要なことである。そして、それゆえに宗教にうるさい人には向かない。(^^ゞ
 この作品の良いところは、枝葉末節にとらわれず。釈迦が生きた時代を生き生きと捉え、釈迦の直面していた悩みを、我々に考えさせることであろう。手塚が捉えた、仏教世界というものを、子どもにも分かり易い形で伝えているのである。

budda001.jpg

 この作品が連載された漫画雑誌は、潮出版の発行である。ご承知のとおり、創価学会の出版社と言っても良い位置づけの本屋である。このような雑誌に手塚の宗教観を展開した漫画を載せるというのは、「釈迦に説法」のような話で、よく許されたものだと思うのだが、これは連載を持ちかけられた手塚の方から、題材として提起したらしい。なかなか勇気の要る行動である。(^o^)わははは・・・
 まあ、この漫画雑誌自体ははあまり宗教的ではなく、サンデーやマガジンに金を払うなら、聖教新聞の販売店に金を落として貰おうという財政目的的な出版物であったのかもしれない。漫画界の重鎮が、そろって寄稿し長々と連載をさせて貰っているようなので、漫画家にとっても販売部数をきにせず好きなことが書ける、よい雑誌だったのかも知れない。
 しかし、そういう雑誌の性格的理由で、この雑誌に載った漫画は私にとって読める環境が無く。私の漫画歴から、いくつもの重要作品がスッポリと抜け落ちているのである。
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*Comment

観賞リストからの漏れ落ち 

●「ブッダ」は単行本もあまり出回っていない様子で、手塚で育った世代でも観賞落ちになりがちですね。置いてある図書館は偉いです。
●近くの耳鼻科待合室には全巻揃っていたのですが、花粉のシーズンにしか受診する機会がなく、毎年最後まで行きませんでした。さらに、医院が予約制になり待たされなくなりましたし、最近は、投薬は対症緩和療法に過ぎないと受診も止めてしまいました。私にとっては未完の作品で、涅槃はたどりつけない境地です。
●思いだしてみると、手塚作品にしては、くすぐりのサブキャラがあまり登場しなかったような…。ライフワークだった火の鳥でもあれだけくすぐったことを考えれば、やはり媒体への配慮だったのでしょうか。
  • posted by Maco 
  • URL 
  • 2010.02/21 21:27分 
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