早くも秋深し。 のらりくらりの毎日ですが元気にがんばっております。(^^ゞ
ボールペンの歴史と進歩 1 
2011年02月04日 (金) | 編集 |
 このところ、最も利用している筆記具はボールペンである。もともとは万年筆派なのだが、この三年ほどはほとんどボールペンになった。というのは、ボールペンが進歩して、期待を裏切る場面がほとんど無くなった事による。かっては、かすれたり、力を必要としたり、欠点が目についていたのだが、最近は文句のつけようがない製品が沢山登場してきたと思う。
 今年に入ってよく使っているのは、これ。
木軸ボールペン0.5mm

針(Needle)状のボールポイント SLIP-ONというブランドの木軸ボールペンである。0.5mmのボールポイントに油性のソフトインクで、描いた線の幅はその半分ぐらいになる。さらにインクが漆黒ではないので、線が細く見える。水性ではボール径0.2mmのなんてものもあるのだが、描く線は逆に膨らんで倍ぐらいになったりするので、ノートに文字を書くには、もっとも細く色も軽々とした鉛筆のような文字が書けるのが気に入っている。
 ペン先も、ニードルポイントなので、まるでシャープペンシルのようだ。

 他にも気に入っているボールペンが何本もあって、今のボールペンは筆記具としては実用上最高のレベルに達していると思う。
 さて、このボールペン、筆記具としては、新参者である。一般に実用化されたのは、第二次世界大戦が終わってからなので、いわば私と同年代なのだ。
 ボールペンを実用化したのは、ピロ・ラズロ(László Bíró)というユダヤ系のハンガリー人で、新聞の校正を仕事にしていたときに、印刷インクが直ぐに乾き水濡れにも強いことに気が付き、このインクを筆記具に使うことを考えたという。
 それまでに、極小のボールをペンの先に付けて筆記具にすることを考えた人はいたが、それだけでは万年筆の変種以上の物にはならなかったのだが、この印刷用油性インクを使うというアイデアがボールペンを実用の物にした。
 弟の科学者ピロ・ゲオルグと共同してボールペンを完成させ、1938年パリで特許を取った彼は、第二次世界大戦で、中立国の南米アルゼンチンに渡り、そこでボールペンの製造(1943年)に乗り出し、成功する。
 ボールペンの特徴は、筒の中にインクを入れて、先端のポールを使って、インクを引き出すところにあり、ボールの反対側の筒先は解放されている。このことにイギリス人の実業家が注目して、戦争中のイギリスで空軍パイロットの筆記用具として売り込み、大量発注を得てイギリスでも生産が始まった。万年筆はペン先の方だけが解放されて袋の中にインクを入れているので、高空に上がって気圧が下がると、インクが噴き出して使い物にならなかったのだ。これに対し、ボールペンはインク貯蔵部の両端が開いているので、気圧の変化に対応できるのである。

 これにより、ボールペンは筆記用具として認知された。
 ピロ・ラズロが製品化したボールペンは「ビローム」という商標で「BIRO」という刻印が施されていた。それが一般名詞となり、ボールペンは英国語圏では、「biro(バイロー)」、アルゼンチンでは、「ビローム」と呼ばれる。そして正式な英語名は、「ball-point pen」であり、「ボールペン」は和製英語らしい。

 日本には、戦後進駐軍が持ち込み、縦にも横にも同じ太さで書ける画期的な筆記用具として注目されたそうだ。それゆえ、器用な日本人がさっそくコピー商品を作り始め、その後は製造技術で世界をリードしていくことになる。

 蛇足だが、ラズロというと、映画「カサブランカ」のヤクザで無頼派の主人公リック(ボガード)の恋敵、知的で紳士なビクター・ラズロを思いだす。かれはチェコスロバキア出身のフランスレジスタンスの闘士という設定だった。あの頃のパリは外国人が沢山いて。それらの人がパリという文化都市を造っていたのだと改めて感心する。

 次回は戦後のボールペンについて、(^o^)/~~

>>ボールペンの歴史と進歩    
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コメント
この記事へのコメント
ボールペンは外国では需要がない?
先日あるデパートにボールペンを買いにいきました。
担当の店員さんがポールペンは外国では使う文化が無いので需要がない ボールペンは日本の文化だ。
と言われました。
不思議なのは、ならなぜクロスとかパーカーなど外国のボールペンが沢山店頭にあるのかな?需要の無い物作るかなぁ
シャープペンはどうなんでしょう
どちらも 外国では使われ無いのですか?海外に行った時サインにポールペンを出されましたけど…
また、公文書などにはボールペンは使われないといわれました。
単純な質問ですみません
教えてください。
2013/06/30(日) 09:55:35 | URL | 陽気姫 #-[ 編集]
世界のボールペン事情
海外でボールペンが使われないという事は無いと思いますよ。ただ、ボールペンは、歴史が浅い筆記用具なので、国や文化によって、受け入れられ方が違います。たとえば、フランスの学校では、1965年まで、万年筆の使用が指定されていました。美しい文字を書くには、万年筆が適当とされていたのです。しかし、現在では青のボールペンが、使用されています。
パイロットのフリクションが、発売されたのはフランスが最初で、現地スタッフからの強い開発促進の要望が有ったそうです。消せるボールペンは、フランスの学校で大ヒットになったそうです。
東南アジアの小学校でも、ボールペンが、指定筆記用具だそうです。しかし、アメリカと日本では、鉛筆が指定筆記用具です。

現在では無敵の筆記用具となったボールペンですが、20世紀では、まだ欠点も多く、事務用品としては優れていても、大人の筆記用具としては、認められていませんでした。紳士はやはり万年筆だったのです。

また、日本でも、戦後直ぐの発売されたばかりのボールペンは、インクか未完成で、油が乾かず、保存すると書類に文字が滲んで消えてしまい、公文書には使用しないように通達されたそうです。

ですから、過去に店員さんのおっしゃることがあったのは事実ですが、それが現在の世界の状況だとはおもわれません。
2013/07/01(月) 18:45:58 | URL | 瓢鯰亭亭主 #eCzvOtzk[ 編集]
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