早くも秋深し。 のらりくらりの毎日ですが元気にがんばっております。(^^ゞ
蓮池透氏に原発問題を聞く 
2012年01月23日 (月) | 編集 |
 蓮池透氏は、 北朝鮮による拉致被害者家族連絡会(家族会)元副代表で、1978年に北朝鮮に拉致された蓮池薫の実兄である。その一方で、1977年東京電力入社。2002年、日本原燃出向。同社燃料製造部副部長。核廃棄物再処理(MOX燃料)プロジェクトを担当。2006年、東京電力原子燃料サイクル部 部長(サイクル技術担当)2009年夏に勧奨退職に応じて退社という経歴を持つ。

 地元の団体の招きで近くで講演会があるのをチラシで知ったので、出かけてみた。いろいろな話があったが、一番印象に残ったのは、彼の立場から見て、既に「原発は止まる」ということであった。放っておいても止まらざるを得ない。「歴史的にフェイドアウトする。自滅です。」ということである。

 以下、私の理解した話の一部を述べよう。

 日本には高レベル放射性廃棄物のガラス固化体が、現在1700本有る。今ある核廃棄物を処理すると、24000本になる。これからどんどん増えていくが、これらが無害になるまでには5万年程かかる。
 ところが、これを何処でどのように保存するかが決められないまま原子力発電が続いている。放射性廃棄物の再処理は青森県で行っているが、最終処分地は青森以外の所へ持っていくと、政府は約束している。しかし、これまでも受け入れようというところはなかったし、今回の事故で、受け入れ先が今後出てくることは絶望的だと思う。

 これまでも、深海に捨てるとか、南極の氷の上に捨てれば、氷を溶かして深く沈んでいくとか、ロケットで宇宙に捨てるとか、無責任な話がいろいろあったが、今ではとんでもないということになっている。最近もモンゴルなど他国に持っていく話が出ているが、民主主義国家なら、そのようなものを受け入れるはずがない。
 たとえ、北朝鮮のような国と仲良くして他国に持ち込んでも、民主化されれば、引き取らされるのは当然だろう。だから、国家がいくら頑張っても、状況を悪くするだけで、いつかは原発は自滅する。そういう趣旨だったと思う。

 話によれば今の日本の社会の悪いところは、責任有るものがその責任を果たさないことであろう。
 原発のニュースを聞いても、事実を伝えてはいるが、真実が伝わらないようになっているらしい。先日の原発内部にカメラが入ったニュースでも、あれは事実に違いないが、それが意味するものが国民には伝わらないという。
 あの場所は、ドライエリアと呼ばれる場所で、水分があってはいけない場所なのである。あそこが水浸しということは、核燃料のある場所に穴が空いて、燃料が漏れ出して冷却水と一緒にドライエリアにたまっていると言うことで、有ってはならないことが現実になっているということなのだそうだ。

 政府は冷温停止といい、終息宣言まで出してしまったが、冷温停止とは、本来は健全なまま原子炉が止まることを言うのであり、ましてや事故は終息などしていない。技術者としてみれば、これからが大変といっても良い状態だが、政治家は世論を恐れて、事実を真実として公表できていない。今後のことを考えるには、国民が真実を知って、次の手段をを選択できるようにすることが何よりも大切なのだと言う。

 ごまかしを続けていれば、スピード感のある事後対策などできない。経済成長を重視し無駄遣いのエネルギー政策を放置し、それを前提に原発の再稼働と延命を図ることになり、ウソにウソを重ねることになる。

 拉致問題も同じ事が言える。国民世論を強行で偏狭なナショナリズムに導けば、政治家は何もしなくても安泰だ。しかし、それでは問題は解決しない。この間にも被害者の誰かが死んでしまったかもしれない。世論を敵に回しても、不誠実な北朝鮮と話し合いを続けなければ、解決は訪れないのである。今回の金正日の死去に際しても、先の震災への義援金についても、日本政府は無視し何もしなかった。弔意を表したり、感謝ををすれば、国民世論の反発はあるだろう。しかし、ことあるごとに相手の懐に入って、日本側の明確なメッセージを伝えなければ、これまた偏狭な相手を変えることはできない。
 金正日が死んだなら、北朝鮮に行ったことがある政治家は、全員弔問団で出かけていって、将来権力を握りそうな人物には、日本は拉致問題を最大のテーマとして考えていると伝える必要があったのではないかと語った。そのように先を見て、したたかにやることが必要だ。

感想) かれは以前は、かなりの対北朝鮮強硬派だったイメージがあるのだが、かなり考えが進歩し柔軟になっているようだ。そのために家族会も退会させられたたと聞いている。そして、同じ人物が、拉致問題と原発問題にこのように深い関わりを持つことになろうとは、巡り合わせというものだろうか、実に驚きである。
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