瓢鯰亭日乗

一気に暑くなりましたね。 のらりくらりの毎日ですが、元気にがんばっております。

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大往生したけりゃ医療とかかわるな

「大往生したけりゃ医療とかかわるな」読後感
著者 中村仁一 幻冬社新書247 760円

これはなかなか大胆な表題である。(^o^)わははは・・・
サブに「自然死のすすめ」とある。
これだけで、本の内容は大体わかる。
わたしは、本を表題で買うことも多い。自分の考えていることに正面から切り込んでくる表題の本は、興味深い考えをまとめたものだと言ってよいからである。

 この本の題目は、自分の死ということを率直に考えるということであろう。死を考えると言うことは重大なことになってしまうが、それは社会的に考えるからである。関係する人への影響や、セレモニー、遺産など、一人の人間の死は大きな問題になるのだが、死ぬ本人にとっては関係の無いことである。
すべては無に帰するのであるから、本人にとっては如何に楽に気持ちよくこの世から消えていくのかが、実質的な問題だ。

 さて、人は必ず死ぬ。これは逆戻りできないベクトルである。人はある年齢に達すると体は死へ向かって、準備を始める。一方医療は「生かすための技術」である。人が若く、体が生きようとするとき、医療はその手助けとなる。
 ところがである。体が死に向かって歩き始めたときの医療は、それをサポートできる存在であろうか。
 少なくとも、現在の医療は人が死ぬことを認めた存在に進化していない。
 人が、死に向かって歩き始めたとき、医療は死への準備を邪魔する存在になることに気が付く必要があると著者は言っているようだ。。

 老人ホームの配置医師である著者は、死への準備ができた肉体が、苦しまず痛みも無く、眠るように亡くなる姿を見てきたという。
 しかし、医療とかかわると、死ぬことは苦行になる。無理やり栄養を与えられ、呼吸をさせられ、体は死ぬための用意ができない。しかし確実に死は近づいてくる。結局、悩み、怯え、痛み、もがき苦しむ終末を迎えることになる。医療は死を邪魔する存在になるのだ。

 著者は言う、なまじ健康であるというお墨付きを得たいがために、がん検診などを受け、がんが発見されれば、そこからの人生は闘病と言う不幸せに支配されてしまう。
 一方、手遅れになったがんの人などは、なんら痛みも無く健康な人生を、死の数ヶ月前まで、続けられるのだから、手遅れは不運どころか、幸運ではないかと言うのだ。(^o^)わははは・・・

 まあ、少々長生きできても、苦しむ時間が長くなるだけなら、有り難くはない。
 あくまでも、終末期を迎えつつある人と、医療の関係ではあるのだが、たしかに70から80くらいの間で、患者の立場からは、医療に対する考え方は大転換すべきかもしれない。よく言われるように、明日死んでも良いと考えて生きることが、本当に生きると言うことなのであろう。

蛇足) この本は半年ほど前に本屋で見かけて、気になっていた。3ヶ月ほど前に図書館に入荷したので、予約を申し込んだが、既に64番目ということであった。こういう本を読む老人は多いようだ。
 時間がかかりそうなので、ブックオフをのぞいていたら、先日100円コーナーに出てきた。前の持ち主が濡れた床に落としたのであろう。最後の広告のページがわずかに汚れていたので、安く出たらしい。(^o^)わははは・・・
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