ゆとりある生活

 経済学者のケインズは、1930年頃に「自分の孫の時代には、人間は週15時間ぐらい働けばよくなる。」と考えた。
 生産力が向上するので、少しの労働で沢山の富を生み出せると考えたのだ。
 それ以前に、マルクスは、1875年に出版した本で、共産主義の高い段階では、社会に高い生産力があるので、人間は義務的な労働から解放されて、「能力に応じて働き、必要に応じて受け取る」と述べている。
 彼等の未来予測は間違っているのだろうか。

 多分そうではない、彼等の時代の人間の幸せは、現在の生産力を持ってすれば、当然に実現できているはずなのだ。
 我々が、現在の生産力を有効に使えば、こういう世界はたやすく実現できる。彼等の考えたことは今すぐにでも可能なのだと思う。

 ケインズの軽視していたのは、際限のない「人間の欲と不安」なのであろう。現代社会はありとあらゆるところが、競争であり、他人に後れを取るまいとする「欲と不安」が、必要のない不幸を生み出している。(^o^)わははは・・・

 マルクスは、これを社会制度の問題として捉えていた。労働の余剰価値を資本が搾取し、資本自体が拡大していくことに活用する。資本同士の競争が、働く人間を際限のない競争へ駆り立てると見ていたのだ。産業革命から資本主義の勃興期の、日本では明治維新の時代に、ここまで見通した発想をしていたのは、驚くべきことである。(^^ゞ

 マルクスは、歴史的に資本主義は通過すべき必然と考えていたであろうし、経済発展のために効率的とも考えていたであろう。だからこそ、レーニンも海外資本の導入で、ロシアを発展させようと考えていたし、現在の中国の経済政策も、資本主義の積極的活用なのだろうと思う。 しかし、マルクスとて、此処まで人間が豊かになっているのに、いまだに資本主義社会のままで、過労死や鬱病が社会に蔓延していることを知ったらビックリするに違いない。なぜなら彼の未来社会のイメージは、のどかな農山村社会のように思えるからだ。

 明治初期に生きた人間の考えるユートピアは、我々の考えるユートピアとは違うし、人間の進歩には際限がない。しかし、いい加減に物質文明への傾斜はペースダウンしても良いのではないか、人間は限りある命を 楽しまねばならぬ。
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