空の思想

 般若心経の中核は「空」である。
 般若心経は、短いので15字目から、「照見五蘊皆空 度一切苦厄」といきなり核心にはいる。
 訳すと、「釈迦は、自分を構成する肉体や意識はみな実体がないと理解して、全ての苦しみから離れられた。」というわけである。
 「空」とは実体を欠くことである。人間の悩みや苦しみは、自分という者があって初めて存在する。自分という者がなければ、世の中の有り様を素直に見ることができ、悩みも苦しみも無い。われわれは、自分を持つが故に、「実体のない煩悩」を自分勝手に創造し、悩み苦しんでいると気が付いたと言うわけである。

 西欧哲学は「我思う。故に我有り。」で、自分の存在を認識の出発点に置くが、仏教では、「我思う。故に苦難有り。」で、自分の存在を捨てることが認識の出発点になる。

 「空」とは、数字のゼロと語源を同じくするインドの概念を漢語に、置き換えた物で、「成長し膨れあがるもの」から「中身がない物」という概念が生じたらしい。

 世の中は、実際に存在しているのに、それを実体のない物と言うのは、えらく観念論のように感じるかも知れないが、仏教で言うのは、自分を前提にした既成概念で見るのではなく、存在そのものとして、素直に見よと言うことである。
 「カレーライス」を見て「食べ物」と思うのは、自分が食べることをまず考えているからである。(^o^)わははは・・・
 「中身がない物」と断じるのは、世界が物質的に無いからではなく、我々が肉体で感じている世界は、自分という存在が自分に都合良く作り上げた世界観=「煩悩」そのものだからである。

 物事を「有りの儘に見る」というのは、むしろ唯物論的立場なのであろう。難しい判断をしようとすればするほど、自分を離れ、「有りの儘に見る」ことが必要になる。
 戦乱の世の武士達が禅を学び、今またジョン・レノンやスティーブ・ジョブス等が禅の思想に触れていたというのは、この物事を「有りの儘に見る」という仏教における自己管理の技術に彼等が傾倒していたと言うことなのである。
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