鹿と温泉の関係(酸ヶ湯・那須・鹿教湯)

 さて、あなたは「酸ヶ湯」をどう読みますか。実は「すがゆ」ではなく、「すかゆ」なのである。パソコンの文字変換でも、「Sukayu」で変換される。これは「酸ヶ湯」は当て字で、もともとの呼び名は「鹿湯」だったからだそうである。青森弁では「すかゆ」なのである。

 温泉の起源にはこう書いてある。

酸ヶ湯の始まり
 ここ酸ヶ湯温泉は『およそ三百年前の貞享元年(1684)、横内(現青森市内)に住む狩人「長内 佐ヱ門四郎」が鹿をしとめそこない、その手負いの鹿を追って山へ入った。それから3日後に発見したが、傷を負っていたはずの鹿があっという間に岩山を駆け上がり逃げ去ってしまった。その俊敏さをみて不思議に思い、付近を探索したところ温泉が湧いているのを見つけた。その後、その温泉に薬効があることを知り「鹿の湯」と名づけ利用した』という由来があります。

 で、この話を聞いて思い出すのが、那須温泉の源泉「鹿の湯」の起源である。そこにはこう書いてある。
「狩野三郎行広という者が山狩の際に、射損じて逃げる鹿を追って山奥に入ると、鹿は傷ついた体を温泉で癒していました。そこで鹿によって発見された「鹿の湯」と名づけたと伝えられています。」

 更に思い出すのは、長野の鹿教湯温泉の起源も全く同じ話で、それ故「鹿に教えてもらった湯=鹿教湯」だという事である。

 なぜ、各地の温泉の起源に共通して、鹿が絡んでくるのだろうか。私が思うには縄文人が温泉ことを「すか」と呼んでいたのではないかと思うのだ。平地で農業を営む弥生人が進出する前、山地には縄文人が住んで、狩猟と採集の生活を行っていた。つまり日本人の山地の生活知識は縄文人から受け継いだ知識なのである。そして「すか」と呼ばれる温泉が、なぜ「すか」なのかを考えた時、「猟師と鹿」の話が創作され伝播したのではないだろうか。

 さて、さらに付け加えると福島県の栗駒山の北側に須川温泉と言うのがある。ここも「すがわ」ではなく、「すかわ」である。鹿の話は無いが、「すか」なのである。私の廻った温泉だけでもこんなに「すか」の話がある。この話題に今のところ学問的根拠はないが、機会があれば追及してみたい話題なのだ。(^^ゞ
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