シスレー展@練馬区立美術館

 今日10月30日は、フランス印象派の画家アルフレッド・シスレーの誕生日である。1839年の生まれだ。昨日は近所の練馬区立美術館でシスレー展をやっているので、ちょっと見に行った。シスレーは「典型的な印象派の画家」といわれ、印象派展には必ず出品されてるのだが、あまり印象に残る作品は無い。みな小品の風景画で、青空を背景に水面と雑木林に点景の人物が隠れて居て、穏やかで静かな時間が流れている。好きな絵だが、当たり前の風景画で、強烈な印象を残すことは無い。(^^ゞ

シスレーの風景画

 しかし、この当たり前の画家であることか、まさにシスレーの典型たるゆえんなのである。趣味の日曜画家というと、石神井公園あたりで、池畔にキャンバスを立てて、のんびり絵を描く人物を想像するが、この典型像を一生貫いたのがシスレーである。
 それ以前の画家と言うと、王侯貴族のパトロンを持ち、制作は注文で、たっぷり時間をかけて細密でリアルな絵を、室内で描いて納品するというライフスタイルであった。、絵の色調は渋く暗く、テーマは神話や歴史や肖像であった。これに対し、シスレーは戸外で、自分の描きたいものを描いた。チューブから絞り出した絵の具を、そのままキャンバスに置いていくような荒いタッチの早描きで、明るい気持ちの良い絵を描いて、これを市民の新しい資産階級に売っていた。貧乏ながら画家が生計を独立したのである。
 日本で洋画が取り入れられた時、まさにこのスタイルが洋画家の典型となった。シスレーは現代洋画の始祖かもしれない。(^o^)わははは…

  今回のシスレー展では、河川管理の技法が展示解説されていた。印象派はセーヌ河畔の静かな水を湛えた風景を光あふれる題材として描いているが、この水面はセーヌ川の船舶通行を確保するために湛えられた水であり、堰や閘門による河川管理の発達が作り出した風景なのだという話である。芸術とは異なるが、これはこれで、なかなか面白かった。産業の発達が新しい風景と、新しい資産階級と、新しいレクリェーションと芸術を、同時に生み出していくというのが、歴史なのであろう。
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